【復習】台湾での献血

先日、台湾の高雄で献血してきたので、そのメモです。
「事前準備をしっかりやっていけば、台湾での献血もなんとかなった」という話です。


もともとものきっかけはこれです。


もちろん、Twitterで公式回答してもらおうという意図ではなく、「日本からも行くよ!」という意思表示と、「いいね」の数により行くつもりのある日本人の数をざっくり把握したいと思ったから。そして、「書いておけば、もしかしたら日本語できるスタッフを用意してくれるかも!?」といったかすかな期待も込めていました。

そして、こんな感じで予習をしました。

【追記あり】台湾で献血するための予習

献血に限ったことではありませんが、外国語であろうとなかろうと、やりとりにはプロトコル(通信手順)がありますよね。
たとえば、コンビニで買い物したい場合を客視点で表現すると、

  • 商品を探し、レジに持って行く
  • レジ担当がレジ操作し、最終的にレジの表示板に表示された金額を把握する
  • その金額より多めのお金をレジ担当に渡す
  • お釣りをもらって、商品を持ち帰る

という作業でしかなく、言葉がわからなくてもレジに表示された数字がわかれば買い物はできるわけです。これが購入という行為。

これを献血に当てはめれば高度な中国語会話ができなくても台湾での献血は可能であろうと予想し、予習の時点でこういうことをしました。

  • 献血のフローを確認(日本での献血の経験も思い出す)
  • 日本人観光客でも台湾で献血できた人がいた
  • 問診票はWebでも公開されているのでそれを理解し事前にチェックし当日持参しよう!

国は違っても献血する際のフローは基本的にだいたい一緒です。

日本であればこう。

  1. 受付
  2. 質問(問診票)への回答
  3. 問診/血圧・体温測定
  4. ヘモグロビン濃度測定/血液型事前検査
  5. 採血
  6. 休憩

(詳細は http://www.jrc.or.jp/donation/about/process/。)

今回の台湾ではこうでした。

  1. 受付/血圧測定
  2. 質問(問診票)への回答
  3. 問診/血圧測定/ヘモグロビン濃度測定/血液型事前検査
  4. 採血
  5. 休憩

(詳細は http://www.blood.org.tw/Internet/main/docDetail.aspx?uid=6549&pid=6385&docid=23927。)

で、実際に現場でちょっと焦ったことと、どう対応したのかを説明していきます。

  1. 受付/血圧測定
    受付のおじさんは「身分証確認と血圧測定」をしていることは、並んでいるときからわかっていたので、パスポートを事前に手に持っておいて、順番が来たらすぐに「我是日本人!」と言いながら座りました。「您能說中文嗎?」といった返しがありましたが、ニコニコしながらその場をやり過ごそうとしたところ、おじさんが固まり、私も固まりました。おじさんは「護照」とか言ってはいました。そしたら、私の後ろに並んでいる人が「パスポート!」とフォローしてくださったので、「パスポートはこうして手に持っているのになんでだろう?」と思いつつ、パスポート番号が書かれているページを開いておじさんに見せたら流れが再開しました。ちゃんと見せないとダメですよね、すみませんでした。。。こんなことがあったので血圧が上がってしまったようで、3回くらい計り直しました。。。
  2. 質問(問診票)への回答
    タブレットで入力することになっていました。私は事前に入手したPDFの問診票に記入したものを持参しましたので、楽勝だと思っていました。質問に答える前に自分の名前とか住所を入力することになりますが、フツーの日本人は注音記号(いわゆるボポモフォ)での入力は無理と思いますので、そのあたりはその担当の人に助けを求めましょう。たまたまなのか、事前にアサインしてくれたのかわかりませんが、ここの担当のFFK12のスタッフジャンパーを着た金髪の台湾人女性は日本語ができる方でした。住所のところが台湾の県・市がドロップダウンリストに入っていて、外国の場合どうすればよいのかわからなかったので、この金髪の担当の方に持参した記入済みの問診票を渡してほぼすべてを入力代行していただきました。本当に助かりました。
  3. 問診/血圧測定/ヘモグロビン濃度測定/血液型事前検査
    献血のバスに乗り込んでから(並んでから4時間後)、自分の番号が呼ばれ、個室に入って問診等があります。数字くらいは聞き取りができないと難しいかもです(バス前方に番号が表示されるようにはなっているのでそこを見ていればなんとかなるとは思います)。ピンクのナース服を着た女性が担当です。「哈儸!我是日本人!」と言いつつ入室すると、ここでも「您能說中文嗎?」的な返し。「OK!OK!」と言いつつ、混み入った質問がされそうな気配を感じたので「小愛老師」の準備をしました(小愛老師とはシャオミ製の通訳機です)。小愛老師を使ってやっと意味がわかったことは「あんた、服役してたことある?」でした。問診票の13番目の質問をここでもかよ!と思いつつ「No!No!No!No!」と返しました。他にも問診票にあった質問、「同性愛者?」とか「最近、不特定多数と性行為した?」とか、個室での羞恥プレイ的な質問が続き、ここでも血圧測定もあり、血圧上昇! 「白大衣高血壓!」と伝えつつ、なんとかやりきりました。
    ここでの血液検査は薬指の指先にチクッとし挿して終了でした。
    「あんたの番号はこれだから、もし告白したいことがあったらここに電話してね」というのもありました。
  4. 採血
    今度は番号ではなく、(中国語読みの)フルネームで呼ばれました。行ってみると、「どっちの腕でやる?」でした。
    再び待ちになり、またフルネームを呼ばれました。行ってみると、「請問你的姓名是?」と聞かれました。「あんたが今呼んだんじゃんよ!」と思いつつ、「我叫〇〇」と返しました。
    その後は「まず消毒するからね」「ちょっとチクッとするよ」、終わった後は「今日はいっぱい水飲んでね」「ガーゼは30分後に取ってね」「終わったらクッキー食べて10分休憩してからバスを出てね」といった流れで、本当に日本での献血と同じような会話でした。

上記の1に到達するまでにかなりの待ちがありました。私が日本人であることを知ったスタッフさんたちや列の前後の人たちは、ときどき日本語での気遣いもしていただき、本当に助かりました。

マクロファージさんがいた!!

 

帰国後、血液検査の結果がメールで届き、台湾の献血のWebサイトへの登録もできました。


これで引き続き、継続的な台湾での献血ができるようになりました。
もっとちゃんと会話もできるようになっておきたいと思います。

【追記あり】台湾で献血するための予習

※台湾で献血を実施している台灣血液基金會に確認したことは、最後のほうに追記しています(2019/10/07)。

また、この予習内容で実際に台湾で献血してきた記事はこちらです。

【復習】台湾での献血

台湾に住んでいない人でも台湾で献血ができるのか、やってみないとわからないので、ちょっと予習をしてみました。
最近の私は、月1ペースくらいで台湾に行っています。
そういう人は日本では献血させてもらえません。
似たような縛りが台湾にもあるかも知れませんが、とりあえず、こんな動画を見付けました。
今年の7月に台北の長春捐血室で献血された日本人の方の動画です。台湾に住んでいる人ではない模様。


この動画で、観光で台湾に来た日本人でも献血はできそうであることがわかりました。
動画の中に出てきた問診票をネットで探したら見付かりました。
問診票はたぶんこれだ!!と思い、自分なりに訳してみました。
ただし、私は医師ではありません(バイオ経営士ではありますが)。
私自身のメモとして作りましたので、誤訳だとか、これを参考にして失敗したとかの文句などは一切受け付けません。

これで問診票はなんとかなると思う。
あとは、医師との問診は台湾華語でのやりとりとなるでしょうから、筆談にするなり、先日入手したけれど本格的には使っていない「小愛老師」などを使ってチャレンジしてみようかと思います。

なお、問診票は英語版もあります。
台湾華語でやりとりできなくても、英語で医師の問診を受けることもできるかもですね。

 

— ここから追記 (2019/10/07) —

自分の勝手な考え(ある意味妄想)では信憑性がありませんので、台灣血液基金會にメールで質問して、その回答をいだたけましたので、以下に転記します。

私からはこんな文面を送りました。

你好。
我是日本人。
我經常去台湾。
下次我想在台湾捐血。
如果面談和血液狀況正常,我可以捐血嗎?
讓我知道,如果有什麼需要注意的。

日本語にすると、

こんにちは。
私は日本人です。
私はよく台湾に行きます。
今度台湾で献血したいと思っています。
問診と血液状態が正常であれば、私は献血できますか?
私が注意すべきこと何かあったら、教えてください。

といった内容です。
これに対してこんな返信をいただきました。

つまり、

こんにちは:
問診と血液状態が正常なら
条件を満たすので献血可能です。
献血する場所にパスポート持ってきてくださいね。

とても感謝します。
台灣血液基金會はあなたの健康と平安をお祈りします。

ということでした。

文面から「私は日本からの観光客だ」ということは読み取ってくれていると思います。とともに、私は台湾華語で質問しているので、「台湾華語での会話もできる人なんだろうな」と思われてのこの回答であるとも言えるかと思います。
問診票は中文/英文両方とも日本で印刷して、記入できるところはしておいて、献血できる場所に持参すれば、問診まではすんなりいけるでしょう。

あとは、体調とか血圧とか血液の状態がよく、医師からもOKをいただければよいだけですね。下図の3のことです。

日本の献血センターの場合、台湾からの帰国であっても帰国して4週間以内は献血させてもらえませんが、日本に入国した外国人であれば、日本語での会話ができるなら献血できるので(渡航歴・渡航場所によっては断られるけど)、台湾でも同じようなルールで運用されているんでしょうね。台湾での献血実践に向けて、医師の問診を想定した会話練習なんかも時間があればやっておこうかと思います。ここで勉強しておくと、病気になって台湾の病院に行くことになった時にも応用ができるのでこれはこれでできると何かと便利なはず。

この予習内容で実際に台湾で献血してきた記事はこちらです。

【復習】台湾での献血

日本赤十字社の血液事業情報システムの障害

2018/03/27、約7時間に渡って、全国規模で献血を受け入れることができない障害が発生していたようですね。
詳細はこちらの公式発表で。

「ログインできない事象」が発生していたとのこと。ADサーバとかが急におかしくなったんですかねぇ??

日本赤十字社は契約締結状況をWebページで公開しているので、それによると、血液事業システムまわりは日立製作所が担当しているようですね。

日本赤十字社は内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の医療セプターには入っていないと思いますが(そもそも今回のはサイバー攻撃が原因でもないでしょうし)、命に係わる血液の流通も留まることなく循環できるようにしたいですよね。

そういう面でも、システム障害が発生したけれど、障害のことを隠すことなくSNSなどを使って、献血に来ていただけるように広報されるなど、事業継続するための手をうっていることなど、組織としての対応がなかなかすごいなぁと思いました。